①イクメンという言葉についてのイメージについて
2019年9月 ~ 10月、「『イクメン』という言葉について、どう感じますか?」というアンケートがあった。1400超の回答があり、女性からの回答が 55%、男性からの回答が 41%、その他 4%でした。 結果は、「嫌い」( 44%)、「どちらかといえば嫌い」( 31%)が 7割超を占めました。「好き」( 2%)、「どちらかといえば好き」( 5%)は 1割未満。「どちらでもない」( 18%)
‥‥‥アンケート回答の自由記述にて、女性:「イクメン」に感じているモヤモヤ「なぜ特別視されなければならないのか分からない。家事も育児もやって当たり前」( 40代女性)、「『イクウーマン』なんて言葉は存在しない( 30代女性)、「育児は母親っていう固定観念が根底にある」( 40代女性)」
男性:「仕事に縛られざるを得ない自分からすれば、家庭に対する義務感が際立つ、非常に迷惑な言葉」( 30代男性)、「育児というものは、女性だけでなく男性も関わるのが当たり前の事なので『イクメン』という形で男性だけが特別扱いされるのは違和感しかない」( 20代男性)」
②「両立疲れ」と「特別視への違和感」について
育児と仕事の両立によって疲弊してしまう父が多くいます。会社における自身のキャリアと育児の両立の困難さが問題視されます。「イクメンブルー」「イクメンタル」などと呼ばれることも。
また、子育ては母親の役割だという認識から、奇異の目や過剰な称賛を受ける父親の中には、育児の主体であるとみなされないことに疎外感を覚えることもあります。男女共用のオムツ台を使用して隣でオムツ交換している女性に嫌な顔をされる、新幹線のデッキにて泣いている子どもをあやしていると誘拐に間違えられて通報されてしまった方もいるようです。
③「転勤」「有休」「育休」
会社によっては起こりうる転勤。時には単身赴任とならざるを得ないが「イクメン」になどなり得ません。
また、会社によっては古い体質から有給すら認められない、育休について認められても嫌味を言われながら休みに入った人も。
子育てをしつつ葛藤を抱える父親は「妻に言えない」「周囲に言えない」という状況で孤立してしまいます。男性の家庭への関わりには濃淡があり、身近な空間では同じ境遇で共感を呼ぶ仲間を見つけづらいものです。
④根本的な問題点
「「『イクメンブーム』もあり、産後の父親に期待される役割は急増しました。本来はそれと並行して長時間労働が是正されるべきでしたが、それがされないままイクメンが推奨されることになりました。 育休で父親のマインドセットが変わっても、育休を明けて戻ったら同じ社会が待っています。家庭とのバランスを自分の中でどう調整するかの全責任を、社会ではなく父親個人が負うことになり、父親の負担できなかったものが母親に重くのしかかる仕組みになっているのが問題の根本にあると思います。」
国立成育医療研究センター政策開発研究室長 竹原健二氏
—『妻に言えない夫の本音 仕事と子育てをめぐる葛藤の正体 (朝日新書)』朝日新聞「父親のモヤモヤ」取材班著
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上述のように、父親を取り巻く育児環境の辛さがあると同時に、まだまだ育児に取り組まない父親がいるということも現実にあります。
また、育児はなぜ大変なのか、子どもの個性や親の感じ方など様々な要素が複合的に絡み合っているため、単純な問題でもないということが言えるでしょう。ただ、父親の育児と仕事の両立に困難さがあるということがより問題視されるべき時期なのではないでしょうか。
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